「アッシュグレーかな。オススメされたからしてみたけど、おかしくないかな」

「えぇっそんな、可愛い……すごく可愛い」

 ふふふ……と微笑むつばきと一緒に、屋上に続く西口の階段を上る途中で、一人の男子生徒と目が合った。

 ──が、何事もなかったかのように視線を切って、すぐ前を向く。

 合原 朝貴《ごうはら あさき》。