お弁当の包みを手に、つばきと二人教室を出る。昼休みの軽やかな空気だが、つばきは伏し目がちに隅を歩く。 「今年は、つばきと同じクラスで良かったよ」 「……ホントに?」 「言うの遅くなっちゃったね。うん、つばきと一緒に過ごせて嬉しい」 私は壁にぶつかりそうなくらいの端を歩こうとする、セーラー服を着たつばきの腕を握る。