子供の頃、よくあさなの絵を描いて本人に渡すと喜んでくれいた。
“本物の人が描いたみたい”
嬉しそうに笑っていた姿を思い浮かべ、あさなは絵が下手だったな……。
紫陽花を見たお寺で、翠があさなや田中と連絡先を交換しているのを見ながら、本当は自分だってその輪に入りたかった。
でも、えなんで朝貴も? と冷めた目で質問されそうな気がして、結局何も言えなかったのだ。
お気に入りだったパンダの貯金箱、今でも大事にしてるんだな。むかつく傷であっても、そこに自分の思い出があるのは……嬉しいと思ってしまう。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…