「モモカちゃんが僕を? 美術室にまで来てくれるなんてっ」

「何の用事かは知りませんよ」

 マロン先輩は“は~い~”と大きな声を響かせ教室出て行き、あの様子じゃ喧嘩をしたなどではなさそうだ。嬉しそう。

 試験終わりの気分に相応しい、青く晴れた空。まだ雨は降るだろうがこれから晴天の夏が到来すると思うと、暑くあっても嬉しい。

 イーゼルを立てスケッチブックを広げると、描きかけの雨の降る公園が現れ、次は晴れた日の空を描きたいなと思った。