「マロン先輩ですか?」

「あっ……うん、そう。部外者だから、いきなり入るの緊張しちゃって」

「えぇそんな。マロン先輩、呼んできますね」

「ありがとう」

 ふっくらした頬を赤らめながら、モモカ先輩がペコリと頭を下げる。

 あさなと同じ家庭科部のモモカ先輩。二人は仲が良いのだろうか。

「マロン先輩、モモカ先輩が廊下で待たれてますよ」

 呼びかけたマロン先輩はモモカ先輩の名前を出すと、一気に瞳を輝かせた。