その場にいた皆がざわめく中、封を破るとそれは、───...婚約取り消しの通知だった。
周りの子に覗き込まれ、見ると気まずそうに遠ざかっていった。
突然のことに頭が真っ白になった時、事件は起こった。
アリーナの取り巻きの子たちが、大きな声で何かを言ったのだ。
詳しくは分からなかったが、私がアリーナの婚約者に繰り返し手紙を送っていたと、確かそう言っていた。
妹の悪口を言ってアリーナと別れさせようとしていた、と。
王太子様へより、ずっと頻繁に。
パニックの中、聞こえてきたそんな声だった。
すると皆手のひらを返したように言い出したのだ。
「ずっと怪しいと思っていた」
「成績さえとって国王陛下を黙らせていれば何をしても良いって言ってたって聞いたことがある」
「あまり麗しい方ではないから、どれだけ器量の善い子かと思ったら」
と。
そして、
私から距離を置いたのだった。