できるだけそれっぽく、自信満々に話すのか。

いかにも異国人ですって感じで申し訳程度に話すか。

うーん、悩みどころだ。


「ドレスが欲しいの?イヴァン様から聞きました。オーダーメイドまではできないのだけれど、数種類なら持ってきたわ」

「え?...あ、ありがとうございます!」


いや、そんなんじゃいつまで経っても成長しないや。

元気にハキハキいこう。


その後無事、ドレスはちょうど良い大きさのものが見つかり、馬車に積んであった食料を二人で下ろすと、あっという間に彼女は帰っていった。



名前はクロエ。

イヴァンが小さいころからずっと、本邸に勤めているのだという。

使用人の中でもベテランだというが、偉い立場ではないらしい。



とりあえず、必要なものは “過不足なし” で揃った。

過不足なし、これほんと重要。


最高に満足。


整った(?)新生活、いよいよ開幕です────