その日は素敵な夢を見た。今まで見た中で一番優しい、恋しくて恋しくてたまらない君の夢を。

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「___冷、よく頑張ったね」

その声は何度も聞いたことがある心地良い声だった。

「…は、る…?」

目を見開く私の目の前にはもう居ないはずの人が立っていて私の頭を大切なものに触れるかのように撫でてくれている。

優しく笑いかけてくれる瞳、色素の薄い綺麗な髪色、少し私よりも大きな手…どれもずっとずっと会いたいと思っていた人だった。

夢なのは分かっている。でもどうにも現実味があって目の前にいるのが本物の暖のように思える。

「君ならきっと叶えられる」

「…うん、暖みたいにはなれないかもしれないけど私頑張るよ。だから見ててね」

暖はふわりと花のように微笑んだあと私を優しく抱きしめてくれた。夢のはずなのにそこにはほんのり彼の温もりを感じた気がした。

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小鳥のさえずりと共に目を開けると窓からは優しい風が吹き込んできて私の体を撫でる。

胸がぎゅっと締め付けられるような感覚の反面、私は朝から優しいふわふわとした気持ちに包まれていた。