中身を勝手に見ていいのだろうか。私が小さい頃しか話したことのないお母さん。

何が書いているのか少し怖さがあるけれど、私は意を決して中を見ることにした。お母さんのことをもっと知りたいと思った。



私は病気をもっていて長くは生きられません。

だから、この手紙に気持ちを詰め込むことにしました。冷、貴方は今自分の名前が嫌いかな?

もしそうだったらごめんなさい。辛い思いをさせたかもしれないね。幼い頃から母がいない家庭で大変なこともあったと思います。苦労をかけたね。

本当に本当にたくさんの重荷を冷に背負わせてしまったかもと思っています。

でもね、私は冷のことが嫌いでこの名前をつけた訳じゃないんだよ。その逆で、私は貴方のことを本当に本当に愛しています。

たった一人の私の大事なかわいい子供なんだもの。

清くて、澄み切ったような"冷"という綺麗な名前が私は凄く好きです。冷たい印象をもってしまう人もいるかもしれない、でも私は貴方の名前を素敵だと伝えてくれる人が現れてくれると信じています。

だって冷は優しい子だもの。

もし冷に悲惨な事が訪れたならば、それを溶かしてくれる暖かくて太陽のような人が冷の隣にいてほしいと願っています。

貴方がどうか、どうかこの世界を恨まずに幸せでいられますように。