冷へ

手紙なんて書くのは初めてだから下手かもしれないけど許してほしい。

冷、まず先に君を置いていってしまってごめんね。
ずっとずっと一緒に居たかった。いつまでも、おばあちゃん、おじいちゃんになるまで他愛もない話をしたかった。

君が辛い時に寄り添っていたい。辛い思いなんて何一つしてほしくない。ずっとその無邪気な笑顔で笑っていてほしい。

僕の願いはそれだけだよ。君が幸せでいたらきっと空にいる僕も笑ってる。
僕の言葉を信じてほしい、冷は自分の優先順位が低いけれど僕のためだったら笑っていてくれるでしょ?

だって冷は優しいから、自分のことを冷たいと思ってるけどそんなことないのを僕は知ってる。

それに透和のこともお願いしたいな。たくさん頼み事があってごめんね。

透和は不器用だから。僕のことで泣くのかな?
もし泣いてたらかわいいとこもあるじゃんって言って茶化してやってよ。

冷と透和はきっと相性もいいはずだから。透和も気負わずに一緒にいられるんじゃないかな。

頼み事はこれくらいかな。

そして本当にありがとう。冷に出会えて僕の世界は変わったんだ。自分の容姿も性格も嫌いだったけど冷が認めてくれたんだ。

冷は僕を"暖かい"って言ってくれるけど僕にとっては冷の方が優しくて、素直で"暖かい"人だよ。

愛する人と過ごす日々はすごく幸せだった。冷のおかげで僕は死ぬ間際まで小説を書いてみるっていう一つの目標も達成できた。

君は今も泣いているのかもしれない、苦しんでいるのかもしれない。

こんな手紙でどうこうなる訳じゃないかもしれないけど大丈夫だよ。安心して、君ならきっと大丈夫だから。

僕はいなくなったって何度でも伝えるよ。夢の中にまででてくるかもよ?

冷、君が大好きだよ。
この世界の中の誰よりも愛してる。幸せに生きてね。

それと封筒の中を見てみて。



暖より