それは四年前。
それは私たちが中学二年生だった時のお話。
初めて人を目で追った。
仲良くなりたくてたまらなくなったり
朝起きるのがこんなに楽しみになるなんて
そんなことを知った。
そういう気持ちを教えてくれたのが
北条 夏輝
私は中学二年生で夏輝と同じクラスになり、
一目惚れして、
恋をして
中学三年生で彼に彼女がいることを知った。
「さくね、夏輝と付き合ってる。」
さーちゃんが私にそう言ってくれた。
「そーなの?おめでとうじゃん!!」
そうは言えたが、笑顔の奥の、奥の奥で
その後言おうとした言葉はつっかえて
喉はぎゅっとした。
何がつっかえたかといえば
その言葉をそんなに可愛い顔で言わないで。
だった。
夏輝とさーちゃんはお似合いでお似合いで。
入る隙なんて誰にもなかったのを
よく覚えている。
失恋したのは十分、充分
分かったけど、
自分の心臓の痛いのを
もっと痛くしたくなった。
だから夏暉に言った。
私も好きです。
もちろん振られた。
あーあ、ダサいな、今思い出してもダサいなっておもう