「わぁ…。」
私は桜木なお。今日から始まる高校生活。中学までは名前も覚えられないくらい地味だった私。メガネも、三つ編みも卒業した。きっと誰か私を見つけてくれるはず！

そんなの甘すぎる考えだった。友達もできず、端でひっそり過ごしてはや一ヶ月。
「こんなはずじゃ…。」
ぼそっと独り言をつぶやきながら理科室へと向かう。する遠くからとんでもない声が聞こえてきた。私は驚いて声がする方へと近づいた。
そこには人だかりができていて、その中心には芸能人顔負けの、整った顔立ちの男の子がいた。
私はそのこと目があった気がした。

理科ではグループを作らなければいけないらしく、一人、人数が足りなくて困っていた子たちの中に入れてもらった。その子達は、月野千代香（つきのちよか）と、相崎真由香（あいさきまゆか）というらしい。私達は、課題を勧めながら仲良くなれた。なおにとっての初めての友だちができたのだ。