「何でも屋」の経営者でありわたしのボスは、アイヴァン・プラットという五十代後半のハゲ親父である。

 こんなことを言ったら、頭をどやされてしまうけど。

 デリカシーにかけるところはあるけど、面倒見のいい頼れる親父。それが、彼である。

 小太りで小さな丸メガネをかけている。いつもヨレヨレでシミのついている白色のシャツを着用し、ヨレヨレのズボンをサスペンダーで吊ってはいている。お腹が酒樽のようにでっぱっていて、昔は美貌だったらしい顔は、いまでは下膨れになっている。

 バイオレンス系やミステリー系に出てくる探偵を地でいっているのが彼というわけね。

 わたしが仕事を探しているとき、たまたま彼と出会った。その出会いは、偶然にしては運命的だった。だから、いまでは必然だったと思っている。