申し訳ない思いでいっぱいのわたしが寝台の上から見守る中、ジリアン・バークリーという名のメイドは最高の笑顔とともにテラスへと続くガラス窓のカーテンを開けたり、洗面所の準備をしてくれている。

 彼女は、きれいなロングの赤毛に緑色の瞳をしている。しかも、惚れ惚れとするほどの美貌の持ち主である。

 着用している衣服を交換すれば、彼女が貴族令嬢でわたしがメイドだといってもまったく違和感がない。

 髪も瞳も黒色でのっぺり顔のちんちくりんのわたしとは、そもそもの土台が違う。

 彼女はその器量よしのせいで、姉に疎まれていたらしい。

 だけど、わたしとはおない年ということがわかり、いい関係が築けそうで安心した。

 ちなみに、家族でこんな容姿はわたしだけである。