「そうか。さすがはファース王国の情報部だな」
「あ、ああ、まあな。自慢の情報部だ」

 ジェロームの勘違いなのに、ブレントンはシレッと胸をはった。

「将軍、あれはたしかに標的はあんたのように見せかけている。だが、実際の標的は違う。あんたではない」
「まさか……」

 ジェロームの説明に、つぶやいたのはボスだけではない。全員が実際の標的がだれであるかに気がついた。