彼らは、いい人だった。いい人すぎた。

 許す許さないというよりかは、これから仲良くやっていければいいと言ってくれた。

 という以前に、彼らはわたしのことを知らされていなかった。

 わたしが新しい公爵の「お飾り妻」であることを。

 それを知ったとき、彼らは微妙な表情でただ頷いただけだった。

 話は尽きない。というよりか、姉の悪行の種は尽きそうにない。

 とりあえず、この夜はお開きにした。