パーティーの数日前、ジリアンたちがクローゼットの中でドレスを選んでいると、主寝室との扉が開いてブレントンの銀仮面が現れた。

「入っていいかな?」
「もちろん」

 答えつつ、彼を迎えに扉まで走って行った。

「ここのところ、きみに放っておかれているからな」
「まあっ! そんなことはありません。ブレントン様だって、イーサンやボスたちと打ち合わせに余念がないではありませんか」

 やり返すと銀仮面の下に苦笑が浮かんだ。

 そうと認めたときには、彼の太くて長い腕がわたしの腰に巻きついている。