「ぼくが説明しますよ」

 不可思議に思っていると、可愛らしくて気遣い抜群のイーサンが説明してくれた。

 ズバリ、ウインズレット公爵家は政治的にはダメダメだという。

 初代ウインズレット公爵から現当主であるブレントンまで、武門一筋に生き、王家と国に尽くしてきた。

 だけど、政治に関しては関心がなく、それどころか避けていた。その為、政治的な味方がまったくいない。しかも、公爵家の人々は、不愛想で不躾で怖かった。政治的であろうとなかろうと、人付き合いじたいほとんどない。

 一方、宰相のオールポート家はまったく正反対で、王家はもちろんのこと王都や地方の貴族たちを掌中に収めていると言っても過言ではないほどの権勢を誇っているらしい。

 なるほど。それは、しかめっ面でだまりこくってしまうわよね。

 辛辣なことをズバズバ言うイーサンは、最高に可愛い。