屋敷に帰ってからが大変だった。

 使用人の人たち全員が、公爵とわたしのことを待ちかまえていたのである。

 そこにお姫様抱っこをする公爵と、お姫様抱っこされるわたしが呑気に帰ってきたのだから、その盛り上がり方は推して知るべし、である。

 散々揶揄われ、祝福され、そして謝罪された。

 揶揄いと祝福は、わたしたちの仲のこと。そして、謝罪はわたしをましていたこと。ウインズレット公爵家の人たち総出で謝罪してくれた。

 執事役のモーリスをはじめ、みんなが口々に謝罪してくるけれど、わたしはまったく気にしていない。