第三者的な目で見れば、顔をそむけたくなる行動だったのに。

 いずれにせよ、そのうちどちらも極力思い出さないように努めた。つまり、記憶の彼方に葬り去ろうというわけである。

 このときの一連のやり取りは、語られることのないわたしたちの歴史となってしまった。

 まあ、それはそれでいい思い出なのかもしれないけれど、やはり恥ずかしすぎたことにかわりはない。

 すくなくとも可愛らしいイーサンやボスにはぜったいに知られてはいけない。

 彼とわたしの間で、それが暗黙の了解となった。