「噂をきいているのだな。おれは、人付き合いが苦手でな。軍人以外の人、という意味だ。だから、そういう交友関係的なことは、すべてイーサンに任せている。おれは、彼の指示に従っているんだ。この銀仮面もそうだ。着用しろというから着用している。その上で、彼が噂を流したのだ。それが尾ひれ腹びれ背びれをつけまくり、いまやおれは魔王のごとき存在になっているわけだ。御託はともかく、きみがこれを嫌っているのなら、二度と装着しない。当然、いますぐ外すことはやぶさかではない」
意外にもあっさり了承してくれた。
黙っていると、彼は両手を銀仮面に添え、ゆっくりとそれをはずした。
「……」
言葉もなく見守っている中、彼の素顔が早朝の冷たく鋭い空気にさらされた。
それを目の当たりにしてからも言葉が出ない。まったく出そうにない。
やっと唇を動かせたのは、しばらく経ってからだった。
意外にもあっさり了承してくれた。
黙っていると、彼は両手を銀仮面に添え、ゆっくりとそれをはずした。
「……」
言葉もなく見守っている中、彼の素顔が早朝の冷たく鋭い空気にさらされた。
それを目の当たりにしてからも言葉が出ない。まったく出そうにない。
やっと唇を動かせたのは、しばらく経ってからだった。