「お食事、とても美味しかったです。ありがとうございます。食器を運ぶのに勝手にエレベーターを使わせてもらいました」

 内心では不安で押しつぶされそうになっている。緊張でドキドキしている。

 彼らは、あきらかに戸惑っている。おたがいの顔をそっと見合わせ、だれかがなにかを言うのを待っているのが感じられる。

「ミユ・ギャラガーです。その、姉がお世話になりました」

 頭を下げ、感謝の意を伝えた。

 当然のことだからである。