「ミユッ、だから待てと言っているだろう? いまの否定は、いったいどういう意味だ?」
「ボスボスボス。いくらわたしが単純バカだからって、言っていいことと悪いことがあるわ。よりによって、公爵閣下とボスがおじ甥の関係だなんて。そんなこと、公爵閣下への侮辱よ。将軍閣下にしてもそう。不敬罪にあたるわ。そうですよね、公爵閣下?」

 体ごと振り返り、公爵に同意を求めようとした。

 だけど、銀仮面の下の口許には、困ったような笑みが刻まれている。