怖いし不安だしわけがわからなさすぎるけれど、ボスの教えはぜったい。

 だから、おもいっきり虚勢をはってみた。

 すると、ジェロームは鼻白んだ。

 彼は、わたしに反論されることを予期していなかったに違いない。

「わたしになにかあったら、いいえ、なにかある前には仲間たちが然るべき対応をしているわ。いま、このときだってそう。わたしが合図を送れば、どうなるかしらね?」

 自分でも「うまくいったんじゃない?」と思えるほど、不敵な笑みを浮かべることが出来たはずよ。

 ジェロームを始め男たちは、わたしの虚勢、というよりかはハッタリに周囲を見まわしている。

 当然、だれかがいるわけはない。