とはいえ、姉とわたしの好みは違う。子どものときから、それでなくとも姉のお下がりを使うしかなかったのに、最後の最後までお下がりなのね。

 まあ、それも仕方のないことね。

 いいえ。いまの状況を考えれば、お下がりであっても大よろこびしなければならない。

 贅沢を言える立場ではないのだから。

 メイドが夕食を運んで来てくれた。

 カートに並べられている料理には、銀製のクローシュがかぶせられている。それから、パンや果物には真っ白い布がかぶせられている。

 彼女は、運んできた物をテーブルの上にセッティングしようとしてくれた。しかし、自分で出来るからと断った。