「あの、公爵閣下。朝食会は?」
「朝食会? ああ、あのくだらぬ会のことだな。一心不乱に食い、さっさと退席した。いまごろは同席していた文官や貴族たちは、おれの悪口でおおいに盛り上がっているだろう」

 彼は、小さく笑った。

 その意外なまでの可愛い笑顔に、ドキリとしてしまった。