「でも、ボス……」
「頬をふくらませたり拗ねたりしてもムダだ。これは、もしかするととんでもないことにつながる可能性がある。おまえになにかあったら、寝覚めが悪いからな」
「ミユ、ここはボスとおれたちに任せてくれ。なっ?」
「兄さんの言う通りだよ。ここは慎重に動いた方がいい」

 ボスだけでなく、エドモンド兄弟もめずらしく真剣かつ必死に説得をしてくる。

 思えば、昔から先走りしたり単独で突っ走りすぎて危険な目にあい、みんなに迷惑ばかりかけていた。

 ここは、はやる心を落ち着け、みんなの言うことをきこう。

 勝手な真似はしない。とりあえずおとなしくしておく。

 そう約束し、ウインズレット公爵家に戻ることにした。