昔、こうしてボスが朝食をごちそうしてくれた。つねに食うや食わずやの生活を送っていたので、こうしてご馳走してくれたときには脇目もふらずに食べたものである。

 だけど、いまも脇目もふらずに食べていたかもしれない。

 それはともかく、食べ終った時には満足しきって眠くなってしまった。

 もう少しでこのまま長椅子で眠るか、ウインズレット公爵家の自分の部屋のあの人間をダメにする寝心地のいい寝台で眠る為に帰宅するところだった。

 朝食後、休憩をした。

 まだ何も仕事をしていないのに休憩? ということは考えてはいけない。

 人生は長い。まぁ、姉のように短い場合もあるけれど、たいていの人は長い。

 朝食後の小休止くらい、その長い人生の中ではほんの一瞬にしかあたらない。

 休憩の後は、真剣に話をした。