このことは、わたしだけにとどめておけるような問題ではない。両親も知るところとなった。だけど、両親にとっては、だれとの子だったのかという疑問も含めてこれまでの姉の素行はどうでもいいようだった。

 父と母にとって、姉の死はそのまま自分たちの金づるが失われたことになる。それから、借金のカタがいなくなってしまったことも。

 公爵にうまく取り繕ったことは、かなり無理があった。それでも取り繕うよりほかなかった。

 そうして、わたしが姉のかわりになった。

 ただ血のつながった妹というだけで、である。性格も容姿も似ておらず、あくまでも雰囲気が似ているかどうかという程度のわたしが。

 そうして、わたしが公爵に叩きつけられたのが、「愛することはない」云々だった。