「あのとき、みゆうちゃんが俺に声をかけてくれたおかげってことか」



そんなふうに言ってくれる恭平くんの横顔は、心なしか喜んでいるように見えた。


最初のころと比べて、かなり心を開いてくれてるんだなと嬉しく思う。



くっきりと浮き出るフェイスラインがとても美しい。


何時間でも見れてしまう彼に見惚れていると、わたしのほうをちらりと一瞥した。


そしてじーっと眺めたあと、恭平くんは不機嫌そうに口を開く。



「てか、その格好、可愛すぎるから禁止」


「えっ……! だめなの?」



「絶対だめ。だから、これ着ておいて」



ふわっとわたしの肩にかけられたのは、恭平くんのジャケット。


彼の甘い匂いが鼻を掠めて、キュンとする。




恭平くんに包まれてるみたい、とにやにやするわたしに、彼は言う。