.
.




「そーいえば、みゆうちゃんはなんで俺のこと好きになってくれたの?」





あのあとも散々イチャイチャしたあと、腰砕けのわたしと余裕の恭平くんは、文化祭に戻るべく廊下を歩く。


ナチュラルに繋いでくれた手が嬉しくて、頬が緩んで仕方ないのは気にしないでほしい。



それはそうと、恭平くんが尋ねてきたことを反芻する。


わたしが、彼を好きになった理由かあ……。

たしかに、なんで恭平くんだったんだろう。



あまり考えたことがなかったから少し考えるけれど、出る答えはひとつだった。




「えっとね……たぶん、最初は推し感覚、みたいな感じだったと思う」


「推し?」



「うん。廊下でたまたますれ違ったときに……すごく顔が綺麗な人がいるなあって、……ひとめぼれだったのかも」