……ズルい、ズルすぎるよ。
わたしのことを好きになってくれるなんて、そんなの、聞いてないよ。
みんなの“ あくまくん ”のくせに、わたしだけの“ 恭平くん ”でいてくれるの?
どうして、……こんなにわたしのこと好きにさせるの?
だばーっと涙が出て止まらないわたしに、恭平くんは軽やかに笑う。
それがいままでと変わらなくて、だんだんと実感が湧く。
「ちょ、泣きすぎ」
「だって、だって……っ、きょーへいくんが……っ」
「みゆうちゃん大好き」
「……?!」
「あっは、これだから意地悪したくなるんだよなあ」