なけなしの覚悟で恭平くんに言う。
震える手が、捨てられたら怖いという意思を持つ。
そんなわたしに、恭平くんは近寄ってくる。
すると彼はわたしの目の前に立つと、しゃがんでわたしと目を合わせようとしてきて。
ぎゅっと温かくて大きい手がわたしの震える手を包み込んだ。
「みゆうちゃん、聞いて」
じっとわたしを見る瞳は、とびきりに優しかった。
静かな空間に放たれる恭平くんの低い声が、わたしの耳を心地よく奏でる。
彼の言葉を待つこと数秒。
恭平くんはまたもや困ったようにふっと微笑みを、わたしに向けた。
「なんにもかっこいい言葉思い浮かばないから、ストレートに言わせてもらうわ」