「好きで好きで仕方なくなって……、あんなこと……言っちゃったの」
あの雨の日、わたしが口走った言葉。
『恭平くんは……気持ちなんかなくても、こういうことできちゃうの……?』
あんなこと、言うつもりなんてまったくなかった。
そんな重いことを言ったら、恭平くんが離れていってしまうのは確定だったから。
それなのに不意打ちのキスをして、好きという気持ちがとめどなく溢れてしまって。
恭平くんを困らせるだけだったのに……、わたしのわがままを、許してほしい。
「恭平くん、わたしのことからかってるなら、もう……こんなの、やめよう」
これ以上、彼を求めたくない。
恭平くんを愛してやまないわたしに、苦しい想いをさせないでほしい。