ふと、この前彼に言われた言葉を思い出す。
『みゆうちゃんって、いままで俺のまわりにいたことないタイプだから、気になるんだよね』
ほとんど同じ言葉だ。
それほど、わたしは彼の中で異色だったのかもしれない。
恭平くんの周りにいた女の子たちは、派手で明るくてとても可愛かったはずだから。
「俺、中学のときから好きとか恋とかよくんからなくて。軽い付き合いばかりしてたから、だれかを自分から欲しいとか思ったことなかった」
「……うん」
「でも、俺のことを本気で好きでいてくれてるみゆうちゃんを、手放したくなくなってた」
恭平くんは恭平くんなりに、悩んだのかもしれない。
遠い目をしているのが、それを物語っていた。
