彼のペースに呑まれるがまま、ぎこちない距離でツーショットを撮ってもらった。


そのあとも、軽やかに『ばいばーい』と手を振ってくれる彼にノックアウトされたのは言うまでもない。


そのあと、その写真を生徒手帳に大事に入れて、元気のないときはそれを見ていた。


まさかそれを、本人に見られてしまうなんて予想だにしていなかったけれど、勝手にこれは運命じゃないかと思っている。


そんなこと言えば、恭平くんはきっとバカにするだろうから、ぜったい言えないけどね。


わたしの勇気が、彼の目に留まっていたことを知り、一年前の自分が報われたような思いがした。



「みゆうちゃんは、いままで俺の周りにいたことないタイプの女の子だったから、そのときから気になってたんだと思う」