ぼろぼろと涙を零しながら、玲奈はひたすらに俺を求めている。

最悪の裏切りをした俺を、それでも。



覚悟を決めるんだ。
自分の罪と向かい合え。



一度、頭をぶるりと振った。
そして、玲奈の手を強く握り返した。



「ずっとお前と一緒にいる。一生だ。
二度と裏切らない。

玲奈、俺の人生はお前にやる」


「り……」


「玲奈が、俺のしたことを許してくれるのなら、信じてくれるのなら、俺はお前のそばにずっといる」


小さく玲奈が頷いた。


「ありがと……」


玲奈の腕に注射針が沈んだ。
安心したのか体の力が抜けた玲奈に、看護師がため息をついた。


「今は眠れ。起きるまでずっとそばにいるから」


手にもう一度力を込めると、弱々しく握り返して。


「理玖……、こんなあたしで、ごめん……」


そう呟いた玲奈に、黙って笑みを浮かべてみせた。