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その日の夜、あたしは部屋で携帯を握りしめて、ぼんやりとしていた。

これからどうしたらいいんだろう。

理玖とずっと一緒にいたい。
このまま誰にも見つからずに、二人で過ごす時間を大切にしたい。

先生は、あたしたちのことをどうするつもりなんだろう。

理玖が好きだから、止めて下さい。
あたしのことは放っておいて下さい。

そう言えば、もう構わないでいてくれる?
ううん。言って、先生を怒らせてしまったら?
もっと酷いことになるかもしれない。
そしたら、理玖と別れないといけなくなるかもしれない。
でも……。

考えは堂々巡りで、何も思いつかないまま。



と、窓がコツコツと鳴った。
時計を見ると、20時をまわったところだった。

理玖が来るにしても、ずいぶん早いけど……。
訝しく思いながらカーテンを引くと、理玖が立っていて、あたしは慌ててカギを開けた。


「理玖!? どうして……」


どうしてこんな時間に?
結衣の話では、理玖たちのクラスは文化祭の打ち上げがあるということだった。
もっと遅くなるだろうと思っていたのに、早く終わったの?

それに、理玖はいつも23時を過ぎた頃じゃないと来ないのに。