私の名前は春日井桃乃。
これは私が小学3年生の時の話だ。
私は小3という幼さにして、とても冷めた小学生だった。
女同士はめんどくさいと、心底辟易していた頃。
その理由はうちの姉にある。
姉・桜子は、わかりやすくぶりっ子だった。背の低さと幼い顔立ちを存分に使い、そのあざとさで多くの男子を魅了していた。
もちろん同性からの好感度は最悪。
恋多き姉は、日頃からトラブルが絶えなかった。
そんな姉を見続けていた私は、小学生にして女も恋もめんどくさいと思っていた。
姉のような女に騙される男もバカだと思っていた。
私は誰にも頼らず、自立して生きる。
群れることなく誰にも流されず、自分の道を行く。
それがクールだとか、しっかりしてて大人っぽいだとか言われ、先生からも「春日井さんはとてもしっかりしてるので学級委員長をやってください」と言われてしまった。
…私は別にそんなつもりないし、学級委員なんてやりたくないのに。