「で、千尋は?まぁーだ、好きな人できないの?」 沙奈江がまあまあ大きな声で話すので、ちょっと焦るが、事実なので、仕方ない。 「え?もうその話いっちゃう?」 「今日の集まり会の題材でしょ?」 「そうだけどさ~…」 そう、私、24にもなる私が、 初恋もまだ、好きのすの字もでてこない人生を送ってきていた。