「くっ、渋てぇなぁ、」
「なんだぁ?兄ちゃん、それくらいかぁ?弱すぎて肩が治っちまったよ。」
最初から痛くなかっただろなんて心の中で思っては声には出さない。
「んじゃ、もう金なんて要らねぇよな!」
なんて言っては投げた鞄を拾いつつ逃げ出した。
もうこれ以上構っていられない。
事前に連絡していた時間は10時30分で、今の時間は11時で、家を出てからあれこれ1時間異常が経っていた。
あいつが待っている。
「遅かったじゃねぇかって、どうした、その傷は。」
「…俺の血じゃねぇ、」
あいつの家にあがるなり、洗面台を借りた。
喧嘩をしてきたことは当然、俺のボロボロさから分かるだろうが、相手のを食らってしまったというのはダサいから嘘をつく。
バシャバシャと水で傷口を洗えば若干染みつつもすぐ治るだろうとあいつの部屋に戻る。
「約束すっ飛ばして楽しんでたなんて、なんと呑気なお方で。」
部屋に入るなり、両手にはゲーム機を持ちつつ皮肉の言葉を浴びせられた。
「わりぃって。元気出せよ。作ってきたもんあっからさ……」
まだ喧嘩してたこと引きずってんのか、と若干呆れつつも少し離れたところに床に座った。
ガサゴソと鞄の中身を確認すると、中から出てきたのは粉々に割れたクッキーだった。
「うわ、」
「んだよって、それなに?クッキー?」
最悪だ。
あの時道路に鞄を投げたから、その衝撃でクッキーが粉々になってしまった。
こんなものは人にあげられない
ましてや誕生日プレゼントには到底できないと顔が青ざめる。
「…くれねぇの?」
「は?」
どうしようかと迷っていたらまさかの言葉に驚くと同時にテレビ画面にはGAME OVERの文字が。
「割れてるからまた後で持ってくるな。」
「は?え?」
「ほんとにわりい。とりあえず、誕生日おめでとう。」
あいつとの約束をすっぽかして喧嘩しては傷を貰ってきたこと。
そして30分以上待たせてしまったこと。
用意した誕プレを粉々にしてしまったこと。
せっかくのあいつの誕生日にあいつを喜ばせようとしていた事が全部台無しになった。
こんなだからあいつはいっつも機嫌悪くしてしまうんだ、と自分にしか非があるように感じてはいたたまれなくなって立ち上がる。
「っ、かえるっ、」
「おい、!まてよ!!」
手を引かれてはあまりの痛さにビクッと肩を震わせる。
「わり、痛かったか?」
そっと手を話されては、異常なくらいの痛さに脳内はハテナを出している。
「…外れてんのか?」
「…っぽいな……」
そのあと、ゴキっと鳴り音の悪い音がなってから俺の叫び声が昼間の近所に響き渡ったのは言うまでもない。
「なんだぁ?兄ちゃん、それくらいかぁ?弱すぎて肩が治っちまったよ。」
最初から痛くなかっただろなんて心の中で思っては声には出さない。
「んじゃ、もう金なんて要らねぇよな!」
なんて言っては投げた鞄を拾いつつ逃げ出した。
もうこれ以上構っていられない。
事前に連絡していた時間は10時30分で、今の時間は11時で、家を出てからあれこれ1時間異常が経っていた。
あいつが待っている。
「遅かったじゃねぇかって、どうした、その傷は。」
「…俺の血じゃねぇ、」
あいつの家にあがるなり、洗面台を借りた。
喧嘩をしてきたことは当然、俺のボロボロさから分かるだろうが、相手のを食らってしまったというのはダサいから嘘をつく。
バシャバシャと水で傷口を洗えば若干染みつつもすぐ治るだろうとあいつの部屋に戻る。
「約束すっ飛ばして楽しんでたなんて、なんと呑気なお方で。」
部屋に入るなり、両手にはゲーム機を持ちつつ皮肉の言葉を浴びせられた。
「わりぃって。元気出せよ。作ってきたもんあっからさ……」
まだ喧嘩してたこと引きずってんのか、と若干呆れつつも少し離れたところに床に座った。
ガサゴソと鞄の中身を確認すると、中から出てきたのは粉々に割れたクッキーだった。
「うわ、」
「んだよって、それなに?クッキー?」
最悪だ。
あの時道路に鞄を投げたから、その衝撃でクッキーが粉々になってしまった。
こんなものは人にあげられない
ましてや誕生日プレゼントには到底できないと顔が青ざめる。
「…くれねぇの?」
「は?」
どうしようかと迷っていたらまさかの言葉に驚くと同時にテレビ画面にはGAME OVERの文字が。
「割れてるからまた後で持ってくるな。」
「は?え?」
「ほんとにわりい。とりあえず、誕生日おめでとう。」
あいつとの約束をすっぽかして喧嘩しては傷を貰ってきたこと。
そして30分以上待たせてしまったこと。
用意した誕プレを粉々にしてしまったこと。
せっかくのあいつの誕生日にあいつを喜ばせようとしていた事が全部台無しになった。
こんなだからあいつはいっつも機嫌悪くしてしまうんだ、と自分にしか非があるように感じてはいたたまれなくなって立ち上がる。
「っ、かえるっ、」
「おい、!まてよ!!」
手を引かれてはあまりの痛さにビクッと肩を震わせる。
「わり、痛かったか?」
そっと手を話されては、異常なくらいの痛さに脳内はハテナを出している。
「…外れてんのか?」
「…っぽいな……」
そのあと、ゴキっと鳴り音の悪い音がなってから俺の叫び声が昼間の近所に響き渡ったのは言うまでもない。