でも……今から行くのはゆうくん家。

送ってもらうからって、ゆうくん家を勝手に教えるのはダメな気がするの。


うーん……。


送ってもらう身として、こんなこと言うのはすごく申し訳ないけど。

「途中までで……良いよ」

「は?何で」

「ゆうくん家だもん。勝手に教えるのは……」

「別に大丈夫だろ」

「私が……嫌」

手に持っていたエコバッグをギュッと握りしめた。

本当に申し訳なくて、光瑠くんの顔が見れない。


「……わかったよ。途中までな」

「うん、ごめんね。ありがとう」

「行くぞ」

そう聞こえた瞬間、持っていたエコバッグを光瑠くんに奪われた。


「えっ……ちょ、」

頭が回らなくて、光瑠くんの手元にあるエコバッグに手を伸ばす。