「えっ、ちょっと待って!どこ行くの」

急かすような後ろ姿に、野菜と光瑠くんを交互に見る。


どこを見たら新鮮かなんてわかんないけど、色とか、美味しそうな見た目だけで決めて、急いで光瑠くんの後を追いかけた。


も〜〜光瑠くんカゴ持ってどこ行ったの?



スーパーの所要時間、約10分。

光瑠くんが急かすから……なんだか疲れた。


「付き合ってくれてありがとう光瑠くん。お礼に駅まで送るよ」

「は?家まで送るけど」

「え……?」

「てか、陽葵がまた駅戻ったら送る意味無くね?」


え……。

光瑠くん、本当にどうしちゃったの。


今までの人生の中で、私のこと送ろうとしたの1度も無かったのに。


「何か変なものでも食べた……?」

「失礼すぎんだろ」

「だって……」


いつもの光瑠くんじゃないんだもん。