「ふーん。で、何作るか決まってんの?」

「うん」

なんて会話をしてる間に、目的地のスーパーに到着した。


「げっ。人多い」

「……ほんとだね」


メモ用紙を片手にカートを押す女の人に、カゴの中にはコーヒーと食パンしか入ってないお兄さん。

いろんな人がいるけど、夕食の買い物に来たであろう主婦が大半を占めていた。


私も早く買って帰らなきゃ……!


昨日、ゆうくん家のおばさんからお肉とか貰ったから、今日買うのは野菜だけ。



「なぁ、陽葵」

野菜コーナーに着いたくらい。

今まで黙ってついてきていた光瑠くんに声をかけられた。


「どうしたの?」

「その、幼なじみとか言うやつ……優しい?」

「え?どうしたの、急に」

「いいから」


急かすように私からの返事を待つ光瑠くん。

そんな光瑠くんにちょっとだけ困惑する。