「もう昔みたいに呼んでくれないの?」
「え……?」
「まぁ陽葵も大きくなったから呼びずらいか」
苦笑いをするゆうくんは少し寂しそうな表情をしていた。
「そんなこと無いっ!」
私は、ゆうくんの白い服を掴んだ。
「2年ぶりに会うゆうくん、かっこよくなりすぎてるから“ゆうくん”って呼ぶの戸惑っちゃって……」
かっこいいし、大人っぽいしで昔みたいに呼んだらいけない気がしたの。
今のゆうくんは、昔、一緒に遊んでた頃のゆうくんじゃないかもしれないから……。
「呼んでもいいの?」
ハハッて軽く笑った後、ゆうくんは柔らかく微笑んだ。
「うん。呼んで」
「ゆーくん」
確認するように、控えめに名前を呼んでみた。
「ん?」
「へへ」
ゆうくんはゆうくんだ!
昔と変わらない、優しいゆうくんだ。