そんな自分の声さえも今はダメだと思う。
ほんとのほんとうに心臓が爆発しちゃいそう。
「ひまり──……」
ピーンポーン──……
ゆうくんの声をかき消すように、何度目かのインターホンが鳴り響いた。
「あ……」
ゆうくんの声に少し間があった。
だけど、ゆうくんはゆっくり手を離して玄関の方に向かって行った。
瞬間、力が抜けたように私はソファに倒れ込んだ。
ドッドッドッ
まるで身体中が心臓になったみたい。
危うくゆうくんに殺されるところだった。
もし……。
──もし、インターホンが鳴らなかったら。
なんておかしな思考を持ってしまって。
それ以上考えるのをやめた。