何も返事が返ってこない。

まだシャワー浴びてるのかな……?


「……」

今からしようとしてることに、ドキドキと心臓が騒がしくなる。

別に変なことするわけじゃない。


だけど……

やったらダメかな、とか

図々しいかな、とか

お兄ちゃんだから大丈夫、とか


いろいろ考えてしまう。



やっぱり、やめよう。

そう怖気ついたとき再びインターホンが鳴って、何かに押されるようにドアノブに手を添えた。


「……入るね」




──ガチャ



「出てる……?」


ゆっくり脱衣所に入って、1番初めに視界に飛び込んできたドア越しのゆうくんに思わず目を逸らした。


いくら目隠しシートでドアがぼやけてるからって、やっぱりダメだ……!


私には刺激が強すぎる。


この部屋に入ること自体、間違いだった。