「ん。ありがと」
私の頭にポンッと手を乗せて、シャワーを浴びに行ったゆうくん。
ゆうくんって優しいな。
優しいところ、昔と全然変わってない。
ゆうくんって何のバイトしてるんだろ……?
戻ってきたら聞いてみようかな。
なんて考えてると、インターホンが鳴った。
え、
私、この家の人じゃないけど出ても良いのかな?
でも出たところでわかんなかったら意味がない。
勝手に出たら迷惑かもしれないし。
荷物とかだったら受け取るだけだから全然良いんだけど……。
ピーンポーン──……
静かな部屋に再び鳴り響いたインターホン。
「……」
ど、どうしよう……。
ゆうくん、さっきお風呂に行ったばっかりだからまだ出てこないと思う。
これは困った。
どうにも出来ない現状に、その辺を行ったり来たり。
いや、でも、急ぎかもしれないし……!
脱衣所まで行って、私はドアの前で立ち止まった。
「ゆうくん……?」