「おかえり、ゆうくん!」

「ただいま。良い子で待ってた?」

「待ってた待ってた!!早く行こ〜」


帰ってきたばかりなのに、私はゆうくんの腕を引いて玄関に誘導させる。

絶対迷惑なのにゆうくんは笑ってくれて。

頭も撫でてくれた。


そんなゆうくんに、胸の奥がキュンと音をたてた。



「わかったからちょっとだけ待って。シャワー浴びてきたい」

ゆうくんを見ると、額の方にほんのり汗をかいていた。


「外暑かった?」

「ん?そーだね。1番暑い時間帯に帰ってきたから」


そっか。

そうだよね。

私がクーラーがついてる家で涼んでる間、ゆうくんはバイトで汗水流してたのかもしれない。


本当は今すぐにでもお買い物に行きたいけど。


「……仕方ないから許す」

掴んでいた腕を離した。