パッと手を離したゆうくんは、まるでわたしから逃げるように顔を背けた。


手で顔を抑えてるから、よくわかんないんだけど、耳が赤くなってる気がして。


ドキンと胸が高鳴った。



ゆうくんが照れてるところ、初めて見たかも……。



「えへへ」

可愛いって言ったら怒っちゃうかな?

なんて、言わないけど。


「何笑ってんの」

「ふぎゅ」


全然痛く無いけど鼻をギュッと摘まれた。


これも照れ隠しなのかなって思うと尚更可愛くて。




「まだ笑ってる」

鼻を摘まれてるのに口元が緩んでしまって、きっと今の私は最高にブサイクな顔してると思う。



「えへ、ゆうくんだぁ〜い好き」


「いつも思うけど、よくそんな恥ずかしいセリフ言えるよね」

「だって好きが溢れちゃうんだもん」